20年後に本当に役立つキャリア教育って?

a0006_00187020年後は、どんな世界になっているのでしょうか?日本の世界における立ち位置はどうなっているのでしょうか?20年後、娘は25歳。立派な社会人になっているでしょう。いや、なっていることを期待します!(笑)。

現在進行形で行われているキャリア教育。わたしは、うまく言えないモヤモヤ感を抱えていました。「本当に、それで効果はあるのか?」という感じ。その上手く言えないモヤモヤ感をドンピシャで言い当ててくれた良書をご紹介しましょう。

 

キャリア教育の嘘 本の概要

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  • 「夢」や「やりたいこと」に拘束するようなキャリア教育にいったいどれほどの価値や意義があるのかということだ。人がなぜ働くのか、どんな仕事をするのかには、本人の意思や努力ではどうにもならない環境の要因が、大手を振って影響している。
  • 卒業時に、みんなが一斉に「これだ」と思える仕事に出会えるなんてことは、本来、ありえないことだろう。(P.22)
  • 高校入学者が100人いたとすれば、どこかの段階までの教育機関をきちんと卒業し、新卒就職をして、そして3年後も就職継続している者は、実は41人しかいない。-中略- 逆に言えば、同年代の半分強は、学校段階においてか就労においてか、どこかでつまずいたり、立ちすくんで滞留したり、やり直しを余儀なくされたりしている。これが、今どきの若者たちのキャリアである。彼らが生きていくのは、こんな状況と時代なのである。(P.26)
  • 今どきの若者たちが、学校・大学を卒業した後にたどることになる世界は、「予測不可能性」に満ちている。(P.27)
  • キャリア教育を受けた若い人たちに、「要するに、就職できればいいんでしょ」と思わせてしまうようでは、キャリア教育としては見事に”失敗”している。(P.46)
  • 確認しておきたいのは、「将来へのキャリアへの準備」とは、決して職業や仕事の世界への「適応」だけを指すわけではないということである。ライフキャリア上のさまざまなイベントや転職に対応できるための準備も必要である。(P.50)
  • 「自分の生き方のビジョン」や「働くときに大切にしたい価値観」のようなことを、キャリア教育の主題とすることもある。いや、「することもある」ではなく、それは、きわめて重要な学習である。学校現場では、ぜひともこの次元のことを大事にしてほしい。(P.65)
  • 日本の職業世界では、専門職や専門的職種などを除くと、そもそも雇用はジョブ(仕事)によって切り分けられていない。文系のホワイトカラーなどでは、その枠内であれば、どんな仕事にも対応できることが求められる。職業世界の「現実」がこうであるのに、キャリア教育においては、「やりたいこと(仕事)」を明確にすることが求められる。僕が、「やりたいこと」重視のキャリア教育に、”危うさ”を感じてしまう理由には、この問題が根っこの部分に横たわっている。(P.67)
  • 結局、僕が言いたいのは、大学生も含めて子どもたちに「やりたいこと(仕事)」を見つけさせたとしても、その選択の根拠は、ずいぶんと”底の浅い”ものになる可能性が強いということである。そんなことをするくらいであれば、子どもや若者には、現在の日本の産業構造がどうなっていて、職業構成がどう変化し、実際の職場における労働(仕事)の実態が、いかなる状況にあるのかといった、職業や仕事についての理解を深める学習に力を入れることを薦めたい。もちろん、そこには、グローバル化した経済環境のもとでの日本経済のポジションについての理解なども入ってくる。(P.75)
  • 職業選択をする際、「やりたいこと」「やれること」「やるべきこと」という視点のバランスを考え、その三者が交わるところで進路決定をすれば、その実現可能性は格段に高まるだろう、と僕は考えている。(P.87)
  • 「やりたいこと」は、必ずしも具体的な職業や仕事の次元に落とし込まれなくてもよい。自分が働くうえで大事にしたいこと、実現したいとおもうこと、自らの「価値観」や「軸」を掘り下げておけば、いざ仕事をする際には選択肢はいくつも広がってくるはずである。(P.88)
  • クランボルツが実施したアメリカの社会人を対象とした調査によれば、18歳の時に考えていた職業に現在就いている人は、全体の約2%にすぎなかったという。また、彼の著書の翻訳本の帯には、でかでかと「もうキャリアプランはいらない」という文字が躍っている。(P.127)
  • キャリアプランの作成に取り組むのであれば、ワークキャリアの流れにだけ視点を集中させるのではなく、ライフキャリアの問題、それぞれのライフステージで直面することになる問題や課題、仕事と生活をどう両立させ、どう折り合いをつけるのかといった点にも注目することが大切である。(P.132)
  • 要するに、正社員とフリーターとの格差の指標としてあげられる「生涯賃金」という想定は、今では、そして今後はさらに、”机上の計算”でしかなくなっているのではないのか。(P.141)
  • 繰り返すが、今日の非正規雇用は、若者たちがどれほど努力しようと、どんなキャリア教育を受けていようと、一定のボリュームで「構造的に」生み出される。景気の浮沈により、そのボリュームには幅がありうるが、消滅することはおそらくない。(P.148)

 

日本の「キャリア教育」のもろさ

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少し前であれば、キッザニアに強い興味をもっていました。まあ、一度くらいは行ってみてもいいかなと思っているのですが。。

でも今は、娘が影響を受け過ぎて、早い段階から「将来はコレになる!」という決め打ちをしてしまうことを恐れています。理由は、本書にもあるように日本のキャリア教育の”底の浅さ”にあります。単なる上っ面の憧れでしかない。

であれば、日本の産業構成や社会のしくみを見た上で、前提となる知識と自分なりの考えを持った上で、職業を見まわしてほしいと思っています。それが難しいのであればせめて、”その職業が将来なくなっている可能性もある”ということをアタマの片隅にいれておいて欲しいと願います。

 

ある方の話によると、中学卒業までに「自分が何が好きで、どんなことに向いているか」というのを把握することは、自分に合った仕事を選択するうえで必須だそうです。高校では、もう遅いんですって。

 

教育のゴールが「自立した大人」であるならば、キャリア教育は避けて通れません。あなたは、どう思いますか?

 

 

seiko について

たけうち せいこ 「国や社会の枠組みを越えて、自由に人生を演じられる人に育てる」ことを教育方針にしています。具体的に言うなら、「自分で仕事を作って、稼いでいける力」を養う、ということでしょうか。 都内在住。『 みずがめ座×AB型』 という、占いでは「先進的で変人」と明記されることの多いわたしですが、個人的には非常に保守的な人間だと思っています。趣味は読書、あとオシャレをするこ と。夫と娘の3人暮らし。

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