名だたる専門家が教えてくれる、子どもを犯罪やいじめから守るために、親ができること

a1380_000365未成年の子どもを誘拐するニュースを見聞きするたびに、とても怖いと思っています。スーパーでちょっと目を離したスキに迷子になったり、見知らぬおじさんが、じっと娘を見ていたり・・・と、被害妄想なんだろうなと自覚しながらも、母親からすると怖いことだらけ。

問題があってからでは遅すぎる!ということで、こんな本を読んでみました。

 

犯罪といじめから子どもを守る 幼児期の生活習慣 本の概要

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  • 「いろいろ事件は起きているけれど、うちの子は大丈夫だろう」という気持ちがどこかにあります。でも、その根拠を問うと、誰も答えられません。根拠のない安心感に頼って生きている、という感じがします。つまり、当事者意識がないのです。(P.12)
  • では、当事者意識が希薄な親が子どもに愛着がわいていないのかというと、そんなことはなく、子どもに対していろいろな思いを持っています。「この子は将来スポーツ選手になってもらいたい」という思い、勉強やいろいろな能力の向上、豊かな感性を育てたいと考えている親御さんもたくさんいます。しかし、そいういう思いの根底は「子どもの命が守られている」ということが前提です。(P.13)
  • 私は、子どもには、その発達段階に応じて、世の中にはいろいろな危険があることを生活習慣の中で伝えていかなければいけないと思っています。(P.14)
  • 子どもへの犯罪といえば、かつては身代金目的の誘拐や恨みを晴らすための犯行でしたが、最近はいたづら目的や無差別の犯罪など、「誰でも良かった」「たまたま」といった、目的が曖昧で不可解な犯罪が増えてきています。「被害者は誰でもかまわない」ということは、「わが子がいつ被害に遭ってもおかしくない」ということです。(P.15)
  • 犯罪が成立するには加害者がいて、被害者がいて、犯罪を起こす環境が必要です。どれが一つ欠けても犯罪は成立しません。「たまたま」がたまたまでなくなるわけです。その意味では、特定の子どもが狙われるよりも、無差別で行われる犯罪の方が対策は立てやすいと言えるでしょう。 -中略- 例えば、警戒心のある子は狙われにくい子どもです。逆に、警戒心がなく、無防備な子どもは狙われやすいといえます。無防備の中には、寄り道をする、人懐こい、性知識がない、といったことが含まれます。(P.17)
  • 確かに男性が犯人である割合は高いのですが、女性の殺人犯も決して珍しくないし、主婦やお年寄り、あるいは子どもが犯人であることもあります。また、顔を知っている人なら安心だともいえません。事実、2005年に起きた15歳以下の略取や誘拐事件のうち36%は、被害者の知り合いでした。(P.20)
  • 私は、車での連れ去りや公園などでの人による連れ去り、いたずらなど、いろいろなケースを当てはめてみて、多くのケースに有効な手立てはないだろうかと考えてみました。(結果、「パーソナルスペースを保つことが有効だとの結論を得ました(要約)」) -中略- パーソナル・スペースとは、お互いに向かい合って前ならえをし、互いの指と指がつかない距離くらいは離れていよう、と言います。(P.23)
  • 不審者が迫った時の対応 : ①大声で叫ぶ、②相手をにらみつける ③タッチ&ゴー(不審者が捕まえようとしたときは、即座にしゃがむと相手は一瞬ひるむので、その隙をついて逃げる) ④ダダをこねる(地面に仰向けに寝転がり、大声で叫びながら手足をバタバタさせてとにかく暴れること)(P.24)
  • 子どもが犯罪に遭いやすい場所として、トイレがよくあげられます。公衆トイレは密室なので、犯罪をもくろむ人にとっては絶好の隠れ場所になります。スーパーや大型店舗で発生した事件でもっとも多いのは、トイレでの性的な暴行だというアンケート結果もあるほどです。 -中略- しかし、犯罪に遭いやすい場所はトイレだと記憶するのではなく、犯罪者が隠れやすい場所、人が潜みやすい場所はどこかと考えることの方が大切です。(P.26,27)
  • わたしが実行していることは、子どもを常に私の前を歩かせるようにして、必ず自分の視界の中に子どもを収めることです。(P.51)
  • 子どもの理解力がかなり出てくる年長さんになったら、何かの機会をみつけて犯罪に巻き込まれることがあることを伝え、パーソナルスペースを教えてあげるとよいでしょう。(P.34)
  • 小学生になると友達と登下校をするようになりますが、現状では幼稚園や保育園でも家庭でもしっかりした防犯教育が行われていません。小学一年生が狙われやすいのは、無防備な状態でそれまで守られていた状態から社会に放り出されるからです。(P.35)
  • 性犯罪に対して備えるには、まず家庭で性教育をしておくことだと思います。(P.38)
  • わが子を犯罪から守るには、自分の子どもだけを守ろうとするのではなく、親同士が協力しあい、地域の子ども全員を守ろうという姿勢が欠かせません。(P.47)
  • ピアノ教室に通わせたいけれど、「行き帰りは自分一人で」というのは、親のエゴです。送り迎えができないのであれば、安全が確保できるところに通わせるべきでしょう。(P.48)
  • 犯罪者はいきなり子どもを襲うのではありません。襲いやすい場所と襲いやすい子どもを探してから襲ってきます。襲われやすい場所、つまり犯罪が起こりやすい場所は(まわりから、誰もが)「入りやすい場所」であり、(まわりから、誰からも)「見えにくい場所」です。(たとえば公衆トイレなど)(P.63)
  • 犯罪者は、地域のほころびをよく見ています。自転車がぐちゃぐちゃに留めているマンションはありませんか。ゴミを散乱させ出してある集積所はありませんか。不法駐輪やごみの投げ捨て、雑草が伸び放題やかれたままの花壇はありませんか。こうした小さなほころびが静かに犯罪を準備させているのです。(P.71)
  • わたしはいじめも同じだと思っています。まず、きちんと掃除をする、かたづけるというように、きちんとした生活態度ができるようにすることで、子どもたちは徐々にかわってくるはずです。つまり、一種のしつけをきちんとしていくことが大切なのです。いじめがあったからといって、いじめにピリピリして、子どもを不審者扱いしていては、いじめを防ぐことはできません。(P.73)
  • 危ない場所で狙われやすい子どものタイプは、きちっと自分を表現できない子ども、コミュニケーションが下手な子どもです。犯罪者は「この子だったら何かしても、親に言ったりしないだろう」と考えるからです。ですから、イヤな時には「イヤだ!」ときちんと言える子どもに育てることが重要です。その意味でも「知らない人とは話してはいけない」とだけ言っていると、コミュニケーション能力が育ちません。(P.82)
  • 犯罪者は一般的に、場所や地域を選び、その後、標的となる人や家を選びます。だとすれば、防犯ブザーだけで子どもを守ろうとする前に、地域全体で守るという発想をもつことが不可欠ではないでしょうか。(P.84)
  • 発生件数から見ると、子どもを巡る犯罪の多くは見知らぬ人が誘拐をすると言ったケースは極めてまれで、近所の人や親の知人、先生など、顔見知りによる性犯罪の方がはるかに多いのが現実です。(P.91)
  • 顔見知りによる犯罪は水面上にはなかなか浮上しないことも多いものです。そのために、子どもの身に何かがあって、子どもが危険信号をだしているのに、親が「犯罪は見知らぬ相手から受ける」と思い込んでいるために、その信号が見えなくなってしまうこともあります。(P.93)
  • その結果、子どもに「家の外は危険だ」と教えれば子どもの心は不安定になります。そして、「知らない人とは話をしてはいけません」という、よく言われるルールによってつくられた先入観が、逆に子どもを危険に陥らせていることさえあるのです(P.94)
  • 犯罪者が子どもを強引に襲うこともないわけではありませんが、実際にはかなり稀です。ほとんどは「よき理解者」を演じて巧みな言葉をかけ、子どもの反応を見ながら、少しずつ距離を詰めてきます。普段の親子のコミュニケーションが不十分で、子どもが親以外のところに愛情を求めたりしていると、犯人は、そこを見逃しません。手に触れる、体に手を伸ばしてくるといった行為に移るのです。(P.97)
  • ところで、「知らない人と話してはだめよ」というしつけが徹底していればいるほど、子どもは迷子になった時に誰にも話しかけることができません。そして、どうすればいいのかわからず、混乱してしまいます。先ほども言ったように、混乱している子どもには危険な人物が親切を装って、近づきやすくなります。 -中略- 特に、「子どもは大人の言うことに従うべきだ」と考えている親の子どもは要注意です。こうしたしつけが強ければ強いほど、直感的には「変だな」と感じていても、その場から逃げる直観力が鈍ってします。

 

日本の「安全神話」に酔いしれてはいけない

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わたしの娘も好奇心旺盛なので、道を歩いていてもすぐあっちこっち行くし、スーパーでは高い確率で迷子になります。最近では、自分で迷子センターに行き、名前を伝えていた娘に頼もしさすら感じていたものです。

さすがにアメリカへ旅行に行くと決め時は、アメリカが如何に危険なところかをさんざん聞かせました。「車道側は歩いてはいけない」「お母さんと必ず手をつなぐこと」「自分の名前と年は、英語で言えるように」・・・等々、必要だと思ったこと全部。

アメリカでは、必ず親が子どもの登下校に付き添います。ガッチリと手をつないで。スクールバスもありますが、出来るだけ乗せたくないそうです。ちょっとしたスキに誘拐に遭うことが、やはりあるそうで、日本の感覚からするとちょっとピリピリしているようにも見えました。

 

姉の娘を迎えに、彼女の学校へ行くと、伯母であるわたしが迎えに行くという連絡がちゃんと伝わっていなかったようで、それはそれは強いセキュリティチェックに遭いました(笑)。なんと学校に警察官が常駐してるんですよ。パスポートナンバーも控えられました。「子どもを守る」という意識がどんなものか、肌で感じました。

 

イヤなことは、イヤだと言える能力を

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娘が1歳児クラスの時、毎日の連絡帳のなかで担任の先生からこんな言葉が書かれていました。

 

「少し前までは、お友達にちょっといじわるされても泣いて我慢することが多かったのですが、最近は、イヤなことはイヤだとはっきり言える、ステキなりこちゃんです。」

 

本文のなかで、「相手にコントロールされないことが、犯罪やいじめ防止に最も役立つ」といったことが書かれていましたが、そうなんだろうなと思います。

そして子どもの身に何かが起こったときには、「お父さんやお母さんに相談しよう」と思えるように、子どもにとって、家庭が居心地の良い場所を提供することが、親にできる最善の策かもしれません。

 

 

seiko について

たけうち せいこ 「国や社会の枠組みを越えて、自由に人生を演じられる人に育てる」ことを教育方針にしています。具体的に言うなら、「自分で仕事を作って、稼いでいける力」を養う、ということでしょうか。 都内在住。『 みずがめ座×AB型』 という、占いでは「先進的で変人」と明記されることの多いわたしですが、個人的には非常に保守的な人間だと思っています。趣味は読書、あとオシャレをするこ と。夫と娘の3人暮らし。